各種Q&A 遺言・相続相談

遺言・相続相談(遺言)

問) 遺言はどのような方法でも、たとえば口頭でもかまわないのでしょうか。
答) 遺言の方式は法律で定まっています。定められて要件を満たさない遺言は無効になってしまいます。遺言の方式には、遺言者が直接作成する自筆証書遺言や公証人役場で作成する公正証書遺言のほか、秘密証書遺言、危急時に行う危急時遺言、隔絶地遺言などがあります。

問) 自筆証書遺言とはどのようなものですか。
答) 遺言者本人が全部自筆で記載する遺言書です。注意するべき点は、@日付を必ず記入する、A氏名の下に印鑑を押捺する、B数枚にわたるときはホチキスなどで閉じて契印をします。訂正個所があるときは、二本線で抹消し、訂正場所に印鑑を押し、欄外に「〇行目〇字削除、〇字加入」と記入し、そのあとに署名します。

問) 自筆証書遺言の誤記の訂正の仕方が間違っているときは、必ず遺言書は無効になるのでしょうか。
答) 遺言書の記載自体からみて明らかな誤記の訂正については、所定の方式の違法があっても効力に影響を及ぼさないとされています(最判昭56年12月18日)。

問) 自筆証書遺言に押捺する印鑑は実印でなければならないのでしょうか。
答) 実印でない、いわゆる三文判でも法律的には問題ありません。しかし、その遺言が自分にとって不利な立場にある相続人などから印鑑は遺言者のものではないという主張がなされるおそれがありますから、実印或いは銀行届出印を使用することをお勧めします。

問) 遺言書に遺言者の拇印が押されている場合でも捺印があるといえるのでしょうか。
答) 拇印が押捺された遺言書も有効と考えられています(最判平成元年2月16)。

問) 公正証書遺言とはどのようなものですか。
答) 公証人役場で公証人が作成する遺言です。利害関係のない証人2名の立ち会いのもとで、遺言者が遺言の内容を公証人に口頭で説明して作成します。現実には、事前に印鑑証明書や不動産登記簿謄本などを公証人役場に提出しておき、公証人役場に事前に準備をしてもらう方法が一般的です。

問) 自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリットを教えて下さい。
答) 自筆証書遺言は、簡便で費用をかけずに作れるという大きな利点があります。遺言は、最後に作成されたものが遺言者の遺志に最も近いものとして有効とさますから、何度作成しても構いません。しかし、遺言書は要件を欠くと無効とされてしまうこと、遺産が多くて遺言の内容が複雑なときは適切な表現をする必要がありますが、ある程度の知識がないと遺志を上手に伝えられない、また、紛失してしまうなどの心配があります。公正証書遺言では無効になる心配が少ない、公証人役場で20年間にわたり原本が保存されるなどのメリットがありますが、証人を用意する必要があり、かつ、費用がかかるという側面があります。

問) 重い病気が進行してしまい、生命の危機にあり、もちろんペンを持つこともできず、病院から公証人役場に行くこともできない場合には、どのように遺言をしたらよいのでしょうか。
答) 危急時遺言という方法があります。利害関係のない証人3人以上が立ち合って、遺言者が遺言を口頭で述べ、これを聞いた証人が筆記して他の証人と遺言者に読み聞かせて、各証人が記載された内容が正確であることを確認したうえで署名捺印します。この場合、遺言の日から20日以内に家庭裁判所において真意に出たものであることの確認の手続をしなければなりません。この場合には、遺言者の署名捺印は必要ありません。

問) 公正証書遺言が無効とされる場合はあるのでしょうか。
答) 遺言者に、遺言当時、意思能力がなかったことが医学的に立証された場合や、遺言者の公証人に対する遺言内容の口授(口頭で話すこと)がなかったとして無効と判断された事例があります。

問) 遺言がある場合には遺産分割協議をする必要はないのでしょうか。
答) 遺言によって、すべての財産について、だれがどの財産を相続するかを定めてあるのであれば、必要ありません。

問) 特定の相続人に対して財産を取得させるような遺言を書きたいのですが、「遺贈する」というのと「相続させる」とどちらがよいでしょうか。
答) 公正証書遺言の実務では、一般に、特定の相続人に特定の財産を取得させる場合、「遺贈する」ではなく「相続させる」という表現を用いています。「相続させる」という表現が用いられる主な理由は、@所有権移転登記の際に要する登録免許税が、遺贈の場合には不動産の固定資産評価額の1000分の25であるのに対し、「相続させる」場合には1000分の6で済むこと、A所有権移転登記手続において、遺贈の場合には他の共同相続人と共同で申請しなければならないが、「相続させる」という表現であれば、受益者が単独で申請できること(昭和47年4月17日民事甲1442号法務省民事局長通達)。B農地を取得させる場合にも農地法による知事の許可が不要であること、など様々なメリットがあります。

問) 葬儀の際、たまたま遺言を発見したときはどうしたらよいでしょうか。
答) 公正証書以外の遺言書は、遅滞なく家庭裁判所で遺言書の偽造・変造を防ぐために検認という手続きをしなければなりません。特に、封印された封書に遺言書が入っている場合には、家庭裁判所において開封しなけらばなりませんから、それまでの間遺言書を開封してはいけません。

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