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相続コラム

預金

母は私に 預金の全てを相続させる という 遺言 を書いてくれました。それなのに、兄が 預金 を 使い込 んで、母が死亡すると 残高 はほとんどありません。

[遺言相続]

 母が預金をあなたに、という遺言を書いてくれたのに、残高が全くないというのでは納得しがたいですね。
 
 このとき、兄が母の意思に反して預金を使い込んだ場合、母は兄に対して使い込み額の不当利得返還請求権を持ち、母死亡によりあなたは法定相続分でその権利を承継します。

 では、母はそもそも預金の全てをあなたに、という遺言を書いていたので、この不当利得返還請求権も、法定相続分でではなく、全額をあなたが行使できるでしょうか。

 これは、遺言の解釈の問題です。母は、母死亡時に残った預金をあなたに相続させる意思で遺言を書き、これには、預金が勝手に使われてその返還を求める権利をもあなたに相続させると考えたか。
 たとえば、母があなたに預金を相続させるとしたのは、兄が使い込んでいることが分かったので、それを阻止したく遺言したなどの事情を証明できれば、あなたが法定相続分を超えて不当利得返還請求権を行使したとも認定できるでしょう。

 ただ、その証明は一般に難しく、母が想定外の不当利得返還請求権までもあなたに相続させると考えたことは認定されがたい事項であると思います。

2015.04.07|タグ:遺言使い込み返還請求預金

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遺産である 預金 を解約して分けようとして、姉に銀行指定の 相続届け に判を押したのですが、姉が独り占めしています。

[法定相続]

遺産である預金は、それが通常貯金普通預金であれば、可分なので、相続開始により、法定相続人が各法定相続分で金融機関に請求ができます。

 しかし、銀行は、所定の相続届けなどの名称の、法定相続人全員の実印を押した書類を提出させることがあります。多くの場合、相続人代表者を記入させて、その者に全額を払い戻す運用が多いです。

 きょうだいに、凍結された預金を下ろすためだから書いてと言われれば、応じてしまいがち。それで、代表者となったきょうだいが独り占めをして、分けないというご相談もまた多いのです。

 金融機関ごとに書くべき書類が異なるので、簡単には説明できないのですが、中には、これを遺産分割協議書に代えるなどと記載してある書類もあるので、注意が必要です。

 設問のように、下ろしたきょうだいの一人が独り占めすることもあります。その場合は、きょうだいに返還請求をしていかなければなりません。

2015.02.25|タグ:相続届け預金

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使い込み事案の落ち着きどころ

[法定相続]

遺産である故人の預金を、法定相続人の一人が使い込んでいた?!

これについては、その引き出しが故人の意思に反したなら、故人が返還請求権を有し、これを相続して請求することが出来ます。

この返還請求権は地裁で行使するべきですが、本当に勝つ見込みがあるのでしょうか。

勝つ見込み、とは、つまり実際にお金を手にできるかだと思います。

この手の事案は、家族間のものなので、和解で終わることが多く、その中で満額ではないものの、ある程度は戻ってくると言うのが実感です。

もし、相手に全く資力がないとき。

仮に勝訴の判決をもらっても、実行されなければ意味がありません。

遺産としてほかに不動産や株式など、遺産分割をしないとならない財産があれば、それらを分けるときに、返還請求権も財産として把握し、代償金に代わるものとして利用すれば、実際の満足にもつながります。

2014.10.31|タグ:遺産使い込み資力預金

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父の遺産 である 銀行の預金 や 債券 を相続したとして、私単独で銀行に請求できますか。

[法定相続]

その銀行預金(貯金)が可分債権と言えるかどうかによって異なります。

普通預金や通常貯金は、父の死亡と同時に法定相続分に従って「パッ」と分かれる可分債権なので、法定相続人は法定相続分で金融機関に払い戻しを請求できます。

ところが、金融機関の金融商品は、すべて可分債権とは限りませんので、あまねく金融機関に払い戻しを請求できるというのでもありません。

たとえば、債券などの金融商品は換金するのに、一度解約という手順を踏まなくてはなりません。

解除権は不可分というのが民法の定めなので、法定相続人単独では、解約払い戻しの請求ができないのです。

2014.07.22|タグ:可分債権債券貯金預金

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相続開始前に姉が父の預金を使い込んでおり、返還請求しましたが、このたび遺言があることが判明しました。

[遺言相続]

父の生前、その預金を姉が使い込んでいた時、それが父の意思に反するなら、父が姉に対し、返還請求権を持っており、それをあなたが相続したとして、行使が可能です。

しかし、遺言が見つかったということ。

遺言の内容が、「姉にすべての遺産を相続させる。」であったときには、父の返還請求権自体も姉に相続され、あなたは権利行使が不能なことになります。

このとき、あなたの利益は遺留分減殺請求として図られます。

残った遺産が1000万円で、使い込んだ預金が1000万円のとき。

遺産合計2000万円を遺留分減殺する。すると、あなたは500万円を回復できる。

これは、返還請求権自体を減殺請求するという構成でもいいし、特別受益(つまり使い込みを贈与と見る)も遺留分減殺の計算の基礎になるので、加えて、減殺請求するという構成でもいいです。

遺言がなければ、残った遺産の半分と、返還請求の半分を請求できたのに、遺留分となるとさらにその半分になってしまいます。

2014.06.18|タグ:遺言使い込み返還請求預金

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父が死亡しましたが、遺産である預金を姉が下ろしています。=何をすればいいですか。

[法定相続]

【初動】相続開始後に、遺産である預金を使い込まれているとき、まずは、その金融機関に連絡し、口座を凍結します。

特段の書類などは必要ではありませんので、電話でもいいですから、死亡の旨を伝えます。

【使い込まれた分の対応】遺産である預金は、相続開始と同時に、法定相続分で「パッ」と分かれて各人がその相続分に応じて金融機関に請求ができます。

そこで、自分の分を超えてほかの相続人の分も下ろした者は、不法行為ないし不当利得として返還義務を負います。

結論としては、姉に対し、使い込んだ分の法定相続分に相当する金額の返還請求をします。

【預金残高】金融機関は、遺産である預金は相続人みんなで解約請求などしてほしいのが本音です。

一人に払い出ししたことで、ほかから文句を言われるのを嫌うからです。

しかし、上記のように、預金債権は可分債権なので、法定相続分での請求を自信を持ってしてください。

注意してほしいのは、このときすんなり払い戻しが可能なのは、普通預金、通常貯金であることです。

たとえば、郵政公社の定額貯金は、10年経過しないと通常貯金にならず、請求しても10年経過していないことを理由に断られることもあります。

たとえば、定期預金は、満期があるので、弁済期にないとして支払いを拒むこともあります。

たとえば、割引債や投資信託、これらは契約上の地位が相続されるので、その時解約した場合の金額がそのまま可分債権になるのではありません。やはり、金融機関が支払いを拒むことがあります。

金融商品は、その商品ごとに法的性質が違うので、やはり専門家に相談して進めてください。

2014.06.17|タグ:可分債権割引債使い込み通常貯金定額貯金定期預金投資信託普通預金預金

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預金の使い込みがあり返還請求訴訟を提起するとき、遺産分割調停は取り下げられますか。

[法定相続]

ある財産が、遺産であるか否か問題になるときには(たとえば、ある遺産は遺言により遺産の範囲から外れたなど)、遺産確認の訴え(地裁)で先に解決されるべきです。

父の生前、預金の使い込みがあったというのは、父から使い込んだ人への返還請求権を法定相続人が相続して行使するので、遺産分割調停に付随するものの、論理的な前提問題ではありません。

ただ、地裁で、使い込みが父の意思に反したと主張したところ、父の意思に沿った贈与だったと認定されたとき、それは特別受益になり、遺産分割調停に影響します。

そうすると、遺産の使い込みにかかわる返還請求は、遺産分割調停と並行して審理されうるけれども、両者は影響しあう関係であると言えます。

2014.06.11|タグ:遺産分割調停使い込み預金

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遺産は預金だけです=私は生前贈与を受けており、減額されてしまいますか。

[法定相続]

遺産が預金だけの時、預金債権は、被相続人死亡と同時に「パッ」と分かれてしまうので、遺産分割協議の余地がありません。

生前贈与を受けている、つまり、自分に特別受益があり、その分引かれてしまう人は、?相続人の特定→?遺産の特定→?遺産の評価→?遺産の分け方の各段階の、?で検討される事項です。

遺産が預金だけだと、そもそもこの段階を経ないのです。

だから、特別受益の考慮もなされない。

こういう場合は、きょうだいたちを相手にするのでなく、銀行を相手にしてください。あなたの生前贈与は問題にされず、差し引かれることもありません。

ただ、定額貯金などがあるときには、簡単にこうは言えません。それはまた別の機会にお話しします。

2014.06.05|タグ:生前贈与特別受益預金

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相続に関する「預金の使い込み」の判例

[法定相続][遺言相続]

私も弁護士なので、最高裁のHPで最近の判例をチェックしています。

そのなかで、私の事務所でよくあるご相談案件「遺産である預金の使い込み」の事例を検索してみます。

私の実務での現状認識と異なり、案外少ないことが分かります。

一方で、裁判官の方と雑談していると、「ありうる事案だよね。」とおっしゃておられます。

ドウユウコト?

おそらくは、実際にそのような事案を訴訟に持ち込んで解決する弁護士が少ないか、訴訟に持ち込まれたとしても、和解で終わることが多く、判決に至らないかなのでしょう。

現場の感覚としては、安易に交渉を打ち切るべきではないけれど、こう着状態が続くなら、ステージを変えて協議したほうが、早期解決に結びつきます。

2014.05.23|タグ:使い込み預金

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預金の取り崩しの返還を求めたい

[法定相続]

相続開始前後に遺産である預貯金を、事実上管理している(推定)法定相続人が勝手に引き出し利得しているケースはよくあります。このコラムでも何度も書いていますが、類型的事象とも言えます。

こういったケースでは、ほかの相続人はその返還を求められないか、相談されます。

試しに、このケースを更に分類してみると、?混合型?単独型に分けられます。

?混合型は、ほかに不動産などの遺産があり、遺産分割協議が必要で、使い込みについても解決したいと相談されるケースです。

?単独型は、ほかには今分けるべき遺産がなく、遺産分割調停などが不可能なケースです。

?単独型の場合は、すでに分ける遺産はないわけですから、遺産分割調停などはできないで、もっぱらその返還請求は地裁での訴訟によるしかありません。

?混合型の場合、引き出し行為が被相続人からの贈与であれば、特別受益と見て、遺産分割調停で持ち戻しを求められます。引き出し行為が全く被相続人の意思に反していれば、やはり、調停では解決できない争訟事項になり、別途地裁で裁判することになります。

?混合型の理屈はそうですが、地裁で行わなければならないケースでも、みんなが合意したり、比較的に少額なので調停委員が解決を勧告したりして調停で解決される場合もあります。

どの場面でどの手法で解決していくか、やはり高度に専門的な分野です。こういうケースに遭遇したら早めにご相談ください。

2013.03.05|タグ:引き出し取り崩し預金

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相続コラム?遺産の使い込みへの対処方法

[法定相続]

相続開始前後に、一人の相続人が遺産である預金を勝手に解約したり、勝手に引き出したりすることはよくあります。

このときには、不当利得返還請求ないし不法行為による損害賠償請求が可能で、それは地裁の争訟事項なので、遺産分割調停で解決するものではありません。

というのは理屈で、実際は、遺産分割調停で話し合われたり、地裁で裁判をしても、結局は不動産等残っている遺産を含めて、全体として遺産分割の話をしたりします。

弁護士をしていると、本当に実感するのは、真の解決には判決より和解の方が多いし、相互互譲して解決したとして、納得するものであることです。

ここで(遺産分割調停)で話し合っても、地裁で話し合っても、同じ話をするのですよ、と言うことが最近しきりです。

ただ、横領に近い使い込みであるときには、それを確認してもらって、和解にこぎ着ける、そのためには、地裁できっちりきっちりある程度は主張を交わしあうのが必要的なのも事実です。

遺産分割調停

2011.12.28|タグ:引き出し解約訴訟調停相続開始前後預金

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相続コラム?実は得する代償分割

[法定相続]

預金などを遺産分割するとき、たいていは相続開始時の残高証明の残高をもって、計算します。株式などは、一定の日の評価をもって計算します。

ある相続人が、預金と株式等金融証券を全部得て、他の相続人には代償金を払うという解決方法があります。代償分割というのですが、預金や株式を一人に集めた方が、解約手続などで簡易であるためです。

そのとき、相続開始時から相当期間経過していたら、預金や株式を得た相続人は得をすることがあります。

たとえば、ABが相続人で、預金が1000万円、株式が1000万円(ある時点の評価)そのすべてをAが取得し、解約の上、Bに代償金1000万円を支払うとした場合です。相続開始時から相当期間経過していると、預金は利息を生じているし、株価が上昇すれば差額はAがもらえるので、Aが若干得をすることが多いのです。

Bがしっかり者であるとき、協議成立間際にもう一度残高証明を取ろうと言い出すこともあります。

2011.06.23|タグ:株式代償分割預金

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遺産に預金があるかの調べ方

[法定相続]

被相続人が、晩年自分以外の相続人のもとで暮らしていて、自分には、被相続人の預金が分からないとき、どう調べますか?

一緒に暮らしていた相続人も、一切を秘密にすることはできないので、小出しに、ある金融機関のある支店、普通預金などを開示してくることがあります。

そうしたときは、その金融機関支店の、定期預金があるかも調べてみることです。すると、定期預金があり、被相続人の死亡前後に解約されていたなどということが分かることがあります。

また、今被相続人になる人は、昭和の初め生まれの方が多いので、郵便貯金を持っていることが多く、ゆうちょ銀行には支店がないので、最寄りのゆうちょ銀行に被相続人の通常貯金、定額貯金の有無を調べる方法があります。

地方に住んでいた被相続人であれば、自宅近くの金融機関は限られているので、ローラー作戦で、近所の金融機関支店の預金の有無を調べます。

都会に住む被相続人になると金融機関を選べますから、調査は困難を極めます。被相続人の勤め先であった会社の給料振込先を調べる、被相続人の職業から、例えば、公務員であれば、労金など、自営業者であれば、JAを調べるなどでしょうか。

とにかく、一つでも手がかりがあれば、そこから、関連する金融機関支店を当たるのが妥当です。

2011.06.16|タグ:預金

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夫名義、妻名義の預金

[法定相続]

2010年4月2日に書いた夫婦の預金のその後です。

夫婦で稼いだお金をどちらか一方の名義にしていることはよくあります。

たとえば、妻は夫婦で稼いだお金をもっぱら夫名義にしていて、夫が死亡して相続が開始したとき、この預金はどう解決されるのでしょう。
この約1年間で経験した事案からは、裁判所は実質的にとらえ、妻の持分を認める傾向にあるということです。

ただ、家裁実務では、預金を分けるとするとき、名義のそのままで法定相続分で分け、あとは寄与分等で調整する手法を取ると思います。

つまり、預金の名義、預金の持分の議論が顕在化するのは、地方裁判所で預金を使ってしまった者へ返還を求めるような場合であると言えましょう。

あくまで、預金債権は可分債権なので、相続開始と同時に法定相続分で承継されるので、預金がそのままあるときには、上記の問題は顕在化しないのです。

2011.02.16|タグ:名義預金

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紛争の予防?ケーススタディ??遺産である預金の取り崩し

[法定相続]

何度もお話していることですが、遺産である預金が、相続開始前後、一人の法定相続人により、取り崩され、減少していたら。

相続開始前は、預金は被相続人に属しますので、被相続人に無断で引き出し行為がなされたなら、これは被相続人への不法行為として損害賠償請求の対象になります。言い方を変えれば、被相続人は、その者へ、不法行為による損害賠償請求をするか、不当利得による返還請求をするかできます。
そして、その後被相続人が死亡すると、それらの権利が、法定相続人に法定相続分に応じて、分割されて承継されます。

相続開始後は、預金は法定相続人に法定相続分に応じて分割承継されます。ですから、その一人が自分の法定相続分を超えて預金を取り崩したとき、これは不法行為ないし不当利得になりますから、ほかの法定相続人は、この者に、不法行為による損害賠償請求をするか、不当利得による返還請求をするかできます。

ですが、もし、この者が取り崩した預金を消費してしまって、ほかに見るべき財産がかなったら、損害賠償請求権も返還請求権も絵に描いた餅になってしまいます。

このような事態を予防できるでしょうか。

まず、相続開始後であれば、直ちに銀行へ連絡して口座を凍結する手続きをしなければなりません。被相続人の預金のありかが分らなければ、新聞に死亡の広告を出すことも検討しないといけません。

では、相続開始前は?このときは、この者の行為を阻止できるのは、被相続人だけですから、被相続人に通帳や印鑑キャッシュカード等を取り戻すよう進言するしかありません。もし、被相続人が、そのような能力がないときには、たとえば、身体能力は劣っていても知的能力は問題ないときには、被相続人と委任契約を結び、預金の管理を任せてもらって、この者の行為を阻止する、たとえば、知的能力も劣っているときには、成年後見の申立ても検討する、このような処置が必要です。

相続開始前は得てして、預金を取り崩すことを行っている者は、被相続人を事実上介助しているのが通常でしょうから、他の法定相続人がそれに入り込むことはなかなか難しいです。少なくとも、医師の診断書さえあれば、成年後見申立ては行えますので、あきらめずにこれを検討してください。。

2010.10.12|タグ:成年後見予防預金

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預金しかない遺産分割

[法定相続]

預金債権は、相続開始と同時に法定相続分に応じて当然に分割されます。すると、遺産分割で協議される特別受益や寄与分の計算を行わないのでしょうか。

不動産と預金が遺産の時には、具体的相続分(特別受益や寄与分の計算を行った後の相続分)に応じて、分割協議が成るのに変かなとも思われます。

でもこれは変?ではないのです。

預金しか遺産にないときには、遺産分割協議は不要です。

ただ、金融機関は、全員のはんこをもらってこないと払戻しには応じないとしています。この金融機関の実際の運用と、最高裁のいう建前が乖離しているから、変?な事態が生じるのです。

金融機関の運用の是非が問われる問題であると思います。

2010.09.06|タグ:遺産分割寄与分特別受益預金

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預金等の利得への返還請求の手法

何度か触れたように、相続人の一人が、遺産である預金を相続開始前後引き出していた、解約していたなどということがままあります。バリエーションとしては、被相続人が取得すべき賃料(被相続人の所有する不動産を第三者へ賃貸していたとき)を相続人の一人が独占していたなど。

法律構成としては、どうでしょう。被相続人P、相続人子ABのケースで考えてみましょう。相続開始前の預金は、Pのものだから、Pに無断でAがこれを着服していたときは、Pの損失でその分Aが利得したということで、PからAに対する不当利得返還請求権が観念でき、相続開始(Pの死亡)により、ほかの相続人Bがこの請求権を1/2の割合で相続して、Aに対して請求できる。AがPの得るべき賃料を得たときも同じです。この場合は、Aの利得は違法でしょうから、不法行為による損害賠償請求権とも構成できます。

相続開始後はどうか。相続開始後の預金は銀行に対する金銭債権なので、可分債権で相続開始により法律上当然に分割され、各共同相続人が相続分に応じて権利を承継するというのが最高裁の判断です。すると、Pの死亡により、預金債権はABに1/2ずつで承継されますから、Aがこの預金を引き出すなどして利得していたら、Bの1/2についてBに対する不当利得返還義務を負うことになります。
相続開始後の賃料債権は、遺産でなく各共同相続人が相続分に応じて取得するというのが最高裁の判断です。すると、Pの死亡により、賃料債権はABに1/2ずつで分割取得されますから、Aが賃料全額を徴収し利得していたら、Bの1/2についてBに対する不当利得返還義務を負うことになります。
通常Aの利得は違法ですから、別途Bは不法行為による損害賠償請求権としても行使できます。

このような主張により、Bが訴え提起したとき、Aとしてはどのように抗弁すべきかは、又の機会に述べることとします。

2010.05.31|タグ:相続開始前後賃料預金

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