弁護士紹介

「うちは財産も少ないから、相続でもめることはないだろう」、「うちは兄弟姉妹の仲がよいから、相続争いなんて関係ない」と、親が元気なうちは、わが家の相続について現実的な問題としてとらえている方は少ないようです。
 しかし、弁護士として仕事をしていると、遺産の多い少ないに関係なく相続問題は起こりえるし、相続問題を契機にして、それまで良好だった家族関係が劇的に変化しうるものだと実感します。
 そして、身近な人を亡くすことは誰にでも訪れる人生の節目であることを考えると、相続問題は、すべての人に起こりえる非常に身近な問題であるといえます。
 日本人の平均寿命が長くなって、最近は40歳代、50歳代の働き盛りの方から、相続の相談を受けることが多くなっています。自分には関係ないと思っていた相続問題が、忙しい盛りの世代に降りかかってきているのです。
 本書は、このように忙しいなかで相続の悩みを抱える方を対象に、さまざまな「知識」と「知恵」を伝授する入門書です。法律用語にはできるだけ注釈を入れ、平易な表現で、相続問題の核心をとらえるように工夫してまとめられています。
 本書のPart1では、相続の基礎的な法律知識を解説しています。民法の定める相続の規定は、どのようになっているのか、正確な知識を持っていることは、相続問題を全体としてとらえるのに役立ちます。
Part2では、相続の問題だけでなく、身内が亡くなった後、どのような届け出や手続きをしなければならないかを具体的に解説しています。
Part3では、遺産の把握方法と評価の実際問題を説明しています。特に、弁護士の書く相続入門書では手薄になりがちな、遺産の評価手法について、わかりやすい説明を心がけました。
Part4では、相続問題のもっとも大事な場面である遺産分割協議について説明しています。法律入門書ではあまり触れられていない、「話し合いをどうまとめていくか」の実践的な知恵を紹介しています。
Part5では、多くの方が関心をお持ちの相続税について解説しています。相続したら相続税を払うものと思いこんでいる方が多いですが、そうではないことがおわかりいただけるでしょう。
Part6では、相談が多い案件について、Q&A形式で疑問点にお答えしています。
 本書があなたの家庭の相続について考えるきっかけとなり、抱えている問題の指南役となれば、望外の幸せです。 最後に、原稿をまとめるにあたって、さまざまなアドバイスをくださった方々に、この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
2008年6月                         小堀 球美子

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