債務相談(個人再生関係)

問) 個人再生にはどのような種類がありますか。
答) 小規模個人再生と給与所得者個人再生があります。前者は、再生計画に債権者の1/2が不同意とすると認可されません。後者は、このような債権者の決議は不要なのですが、可処分所得に基づく最低弁済額の要件が加重されています。また、後者は文字通り給与生活者が典型的な利用者となります。

問) 個人再生の手順を教えてください。
答) 東京地裁の運用では、全ての事件に民事再生委員が選任されます。個人再生申立後、債権届けなど諸手続が進行するのに平行して、民事再生委員に毎月決まった金額を積み立てていきます。この積立が滞りなく行われると、基本的に、民事再生委員も再生計画に対する意見として認可の意見を書くので、再生計画が認可されやすい傾向にあります。

問) 個人再生の申立をすると、どのくらいまで債務が減額されるのですか。
答) 小規模個人再生の場合は、最低100万円にまで減額されます。給与所得者個人再生の場合は、法令の定める計算方法で算出された可処分所得の2年分以上まで減額が可能です。親元に住み住居費がかからない人や、扶養家族のいない単身者などは可処分所得が高額になるのであまり減額されない傾向があります。

問) 私は、保険外交員ですが、個人再生で資格に影響が出ますか。
答) 破産と違って資格制限はありません。

問) 私は、住宅ローンがあり、住宅は手放したくないのですが、個人再生では住宅は確保できますか。
答) 個人再生を利用するのに、住宅資金特別条項を使えば、住宅は確保できます。

債務相談(任意整理関係)

問) 任意整理とはどういうものですか。
答) 業者開示資料を基に、利息制限法に従って、名目上の利息から支払義務のない利息を削って計算し直し、弁護士があなたの代理人となって、業者と和解契約を結ぶものです。その後は、この和解契約に従って返済していきます。

問) 利息制限法の利息とはどういうものですか。
答) 利息制限法では、債務元本の額により15%から20%の利息を定めていて、これを超える利息の約束は無効とされています。

問) 「グレーゾーン」とは何ですか。
答) 利息制限法で制限利息が定められ、それを超える利息の約束は無効であるのに、出資法では刑事罰の対象となるのは29.2%を超える利息の約束あるいは利息の徴収と定められています。従って、15〜20%を超え、29.2%以下の部分は民事上無効なのに刑事上は罪に問われないという法の隙間が生じていて、これを一般に「グレーゾーン」と呼んでいます。

問) 任意整理をすると、何年間くらい返していくことになりますか。
答) 3年を目途にしています。場合によっては5年にわたることもあります。

問) 任意整理をするとローンで物が買えなくなるのですか。
答) 破産と同様、やはり金融機関の信用情報リスト(通称ブラックリスト)に載ります。搭載期間は、破産の場合より短いと言われています。弁護士に依頼しなくても、滞納が通常3ヶ月になればブラックリストに載ると言われています。

問) 任意整理をして「過払金」が返ってきたという話を聞いたことがありますが、それはどのようなものですか。
答) 利息制限法所定の制限を超えて支払を続けた場合、制限超過部分を元本に充当しその結果元本が完済になったとき、その後に支払われた利息は業者の不当利得となります。この結果、業者に対し、払いすぎた部分を返還せよと求めることができます。業者との取引が長ければ長いほど、払いすぎている可能性があります。

債務相談(破産関係)

問) 自己破産とはどういうものですか。
答) 自分の収入より負債の方が大きく、支払が不能になった人が自分から破産手続きの開始を裁判所に求めることです。債権者(お金を貸した人)から破産の申立をすることもできます。 

問) 免責とはどういうものですか。
答) 破産手続きは、破産者の財産を換価して配当していく手続きが主となり、法律的に債務が強制執行されない状態になるためには、もうワンステップ、免責許可決定をもらわないといけません。自然人の場合、破産申立の目的は免責決定を得ることです。

問) 破産すると海外旅行へ行けないのですか。
答) 破産者である間は、裁判所の許可なく住まいを変えてはいけないことになっています。ただ、免責確定と同時に復権しますので、免責決定後は、海外旅行へも行けます。

問) 破産すると郵便物が届かなくなると聞きました。本当ですか。
答) 破産管財人がつくと、手続きの間、あなた宛の郵便物は管財人の手元に届きます。管財人は、財産調査のためにこれを開封することができますが、必要のないものはすぐにあなたに返されますし、手続きが終われば、全て返されます。管財人がつかない事件の場合は、郵便物があなたに届かなくなるということはありません。

問) 破産をするとローンで物が買えなくなるのですか。
答) 金融機関の信用情報リスト(通称ブラックリスト)には載るようです。そうすると、クレジットカードを作ったりできなくなりますから、その意味ではローンで買い物はできません。しかし、これも無期限ではなく、何年かすると経済的信用力も回復し、クレジットカード等も作ることができるようです。金融機関の個別の判断によります。

問) 破産すると銀行で通帳が作れないのですか。
答) 銀行口座は開設できますから、そのようなことはありません。

問) 破産すると会社にそのことが分かってしまいますか。
答) 裁判所や破産管財人から会社に連絡が行くことはありません。ただし、会社からも借入をしている場合は、会社も一債権者ですから、通知がいくことになります。また、たとえ破産したことが分かってしまっても、労働者の経済状態を理由にする解雇は不当解雇です。

問) 私は公務員ですが、破産できるのですか。
答) 特に特別法上規定がない限り、職業上の資格制限はありません。破産したことで、公務員が解雇されることは、法的にはありません。

問) 私は警備員ですが、破産できるのですか。
答) 警備業法7条で資格制限があります。破産開始決定から免責確定までの間資格が失われますから、その意味で警備員は破産できないことになります。

問) 私は事業を行っていますが、破産できますか。
答) 事業が会社組織で会社も負債を抱えているような場合は会社も破産しなくてはならず、そうすると事業の継続は困難です。他方、事業が個人経営の商店のような場合、事業は生活の糧ですから、その継続は問題とされないこともあります。

問) 私が破産することで、家族に影響しますか。
答) 一個人が破産したことで、他人に法律上の影響が出ることはありません。ただ、家族で、あなたの債務の保証人になった人は、その債務を請求されることになります。

問) 私の自宅は不便なところにあるので、自動車は手放したくないのですが、破産すると自動車は持てませんか。
答) 破産手続きは、財産を換価して配当することを目的としますから、基本的に自動車も換価の対象となります。ただ、東京地裁の運用では、評価額が20万円に満たない自動車については、処分の対象としていません。

問) サラ金への借金の他に、携帯電話の滞納もあるのですが、破産するとこれはどうなりますか。
答) 電話料金も破産債権の一つとして裁判所に届けます。免責されれば、これも支払を強制されません。

Copyright 2000-2008 Kobori kumiko Law Office . All rights reserved.No reproduction or republication without written permission