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離婚相談(離婚の方式)
問) 夫は成年被後見人(禁治産者)ですが、協議離婚できますか。
答) 成年被後見人(禁治産者)は単独では法律行為ができないのが原則ですが(民法第9条)、離婚するには、離婚とはどういうものであるかを理解する能力があれば、成年後見人(後見人)の同意なくして行えます。
問) 夫の暴力がひどく、「今度暴力を振るったら離婚する。」との合意をしています。夫が暴力を振るったらすぐに離婚できますか。
答) 条件を設けて離婚の合意をしても、その条件が現実のものとなったときに、再度離婚することにつき協議し合意できない限り、協議離婚は成立しません。結婚や離婚の身分法上の意思表示には条件を付けることができないのです。
問) 夫婦けんかをして、夫から「今度こんなことがあったら離婚する。」からといって、離婚届に署名するように言われました。軽い気持ちで署名したのですが、実際に夫がこれを届けてしまいました。離婚は有効でしょうか。
答) 協議離婚成立のためには、離婚意思と適式の届出が必要で、前者は届出のときに存在することが必要です。従って、届出をすることを前提にしないで署名された離婚届は、仮に提出されても無効です。ただ、実際に届出が為されると、離婚意思があったと推定されますから、その有効性を争う者に離婚意思の不存在を立証する責任があります。
問) 便宜上離婚することにして、離婚届を出しました。あとから、この離婚は無効であると言うことはできますか。
答) 方便のための離婚について、判例は、あるいは有効とし、あるいは無効としています。比較的最近の判例では、生活保護を受けていた夫の妻が、働きに出るため、引き続き生活保護を受けるために協議離婚したが、夫婦の生活関係に変化はなかったという事案で、「離婚届が法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであって、離婚を無効とすることはできない」としました(最判昭和57・3・26)。先例では、少なくとも離婚の効力を争う側の反証を許すとしており、届出意思即離婚意思とされているのではないと言えます。
問) 協議離婚届の不受理届けはどこに出せばいいのですか。
答) 申出人の本籍地市区町村長宛です。非本籍地に届け出ても、当該市区町村長はこれを受付け、その後これを本籍地市区町村長に送付することになっています。
問) 相手が精神病のとき、調停離婚できますか。
答) 調停をするためには、意思能力が備わっていることが必要です。相手方が精神病でも、意思能力があれば、離婚するためにはまず調停を申し立てるべきです。このとき、意思能力のあることを示す、診断書を申立書に添付するとスムーズにいきます。申立後、調停するのに際して、意思能力を欠いた場合、調停は終了します。
問) 条件さえ相手方との合意が整えば、離婚しても良いと考えています。どのような調停を申し立てれば良いでしょう。
答) あなたの離婚意思が現段階で固まっていたとしても、未成年の子がいるときなど、冷却期間をおけば、離婚の意思を翻意することも予想されます。そこで、家庭裁判所では、「離婚事件」として立件せず、「夫婦関係調整事件」として立件している場合が多いのが現状です。まずは、夫婦関係調整調停を申し立てることが必要です。
問) 離婚の調停を申し立てるのに、離婚原因は必要ですか。
答) 夫婦関係調整調停は、両当事者の自主的解決が図られることを趣旨として行われますので、離婚原因は不要です。
問) 愛人を作って、家庭を顧みない相手方から、離婚調停はできるのでしょうか。
答) 離婚調停の申立ては、法定の離婚原因の有無に関係なく申し立てられるため、申立自体を却下することはありません。この調停で、あなたが離婚に明確に合意すれば、調停の成立が認められます。
問) 離婚調停が成立しましたが、子供の将来を考えて、協議離婚の届け出をすることは可能ですか。
答) 可能です。調停離婚となると、戸籍にもその旨が載りますので、将来について不安があるのであれば、調停条項に「申立人と相手方とは協議上の離婚をすることとし、遅滞なくその届出をすること」と記載してもらうと良いです。
問) 離婚のみの合意をし、調停を成立させた場合、財産分与、慰謝料等をあとから請求できますか。
答) 調停条項に「本件紛争を解決したものとする」との条項を盛り込むと、財産分与等を請求することはできないと解せられます。そうでなければ、別個に請求できます。このとき、財産分与の請求期間は離婚のときから2年以内、慰謝料については離婚のときから3年以内です。
問) 調停で、子供の養育費について合意ができました。しかし、相手が支払ってくれません。どのようにすれば良いですか。
答) 調停が成立すると履行勧告の制度が利用できます。履行勧告の制度は、家庭裁判所が権利者の申立により、義務者と折衝し、履行するように勧告する制度です。安易な制度で利用しやすい反面、強制力はありませんから、それでも相手が支払ってくれない場合は、強制執行の手続きをとるほかないでしょう。
問) 調停を不成立としないで、取り下げた場合、離婚の裁判はできないのですか。
答) 相手方と十分に話し合い、合意が得られなかったため、不成立とせず調停の取り下げをした場合は、十分に話し合っているので、地方裁判所へ離婚の訴えを提起できます。このとき、調停の取下げ証明書を添付することが必要です。逆に、たとえ調停で不成立となっても、年月が経って、事情に変化が生じた場合は、再度の調停が必要です。
問) 離婚訴訟で、相手が欠席した場合、どうなりますか。
答) 通常の民事訴訟では、相手方が欠席すると、事実を争わないものとして扱い、原告の主張を自白したものとして、これを事実とみなし、原告の請求のとおりの判決が出ます。しかし、離婚等の人事訴訟では、このような欠席判決はもらえません。あなたの方で、離婚原因があることを立証しなければなりません。具体的には、あなた(原告)本人尋問を経たうえで、判決が行われます。
問) 私たち夫婦はすでに別居していますが、離婚訴訟を提起する場合、どこの裁判所に提起したら良いですか。
答) まず、離婚訴訟は、すべて地方裁判所の管轄に属します。次に、別居しているのであれば、最後の共通の住所地に夫婦の一方が住所を有していれば、その住所を管轄する地方裁判所に訴えを提起しなければなりません。すでに夫婦双方が最後の共通の住所地に住所を有しない場合は、夫または妻が居住する地の地方裁判所に訴えを提起します。
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